山下 清展

藤崎で
「時代を歩いた放浪画家の生涯 山下清展」をしている。

「日本のゴッホ」と言われているだけあって
その純粋さは、まさに「おそろしい」ほど。


ドラマなどでは、山下氏は放浪しながらその場で絵をかいたようになっていたが
実際は、帰ってきてから、記憶で書いていたのだそうだ。
見てから、帰りつくまで、その対象物の本質のイメージを膨らませたのではないかと
私は思う。

星野道夫という写真家がいて
奥さんが
「一緒に森に行ったとき、特にしゃべらなかったのに
後でエッセイを読むと、いろんな気持ちが書いてあって。
こんなこと考えていたら
そのとき言ってくれれば良かったのにと思います」
と、おっしゃっていたが
私は星野氏の気持ちのほうがわかる。

新しい発見、大きな感動を感じたとき
そのとき言葉からでるのは
わりと浅い言葉になってしまう。
そして、こんな言葉では言い表せないと悔やむのだ。

心の中で何回も反芻していくうちに
「ああ、文章にするとこういう感じ」
と、落ち着くことができる。

だから、山下氏が、後で絵を描いたというのはほっとする。
あれだけの空気を内包する絵を、その場でかかれたら
感動を通り越し、すごくショックで、
「これは、どういうことなのだ」

パニックになりそうだ。

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